5月の誕生石は ヒスイ(ジェダイト) と、 エメラルド・・・
ヒスイは和名で『翡翠輝石』と呼ばれています。
エメラルドは和名で『翠玉・翠緑玉・緑柱石』と呼ばれています。
翡翠は、元は中国名(漢名)です。
華僑の承認により13世紀に旧ビルマで発見されたのが最初で、
中国に持ち込まれたのは、古くから最も貴重な宝石とされていたネフライト(玉)の感じによく似ていたことから
中国の人々には抵抗なく受け入れることができたそうです。
ヒスイ(ジェダイト)はネフライトよりも色が豊富で、
神聖な鳥とされていた水辺の鳥『カワセミ』のカラフルな羽の色に似ていたことから、もっと特別とされてきました。
緑、青、赤、黄色、オレンジ、紫、そして黒…実際にはそれ以上の色があります。
上記の色は俗に『翡翠の7色』といいます。
ネフライトよりも少しだけ堅いことから、ネフライトの『軟玉』にたいして、『硬玉』と呼ばれるようになりました。
そして、ヒスイは石でありながら、暖かみを感じる独特の質感があり、
翡翠は”赤” と ”緑” の玉という意味を持っています。
また、西太后の翡翠好きによって、側近や諸侯たちは競って良質の翡翠を献上したために、
翡翠のグレードランクが決まっていったとされています。
エメラルドは、紀元前4000年頃のバビロニアで初めて宝石として使われらと考えられています。
しかし、当時のものが今のエメラルドだったかどうかはわかっていません。
古代の人々は、緑色の宝石には大地の精霊のパワーが宿っていると考えていました。
彼らは当時、緑色の石のことをラテン語で『スマラグドス -smaragds』と呼んでいました。
後にギリシア語でスマラグドスと呼ばれるようになりましたが、その中にはエメラルド以外の緑色の石もあったようで、
微妙な色の違いでランク分けされていたそうです。
やがて、ペルシア語で『エメラルド -Emerald』となりました。
鉱物標本会でのエメラルドの色の評価は、ルビーのようにアバウトなものが多く、
宝石の世界では、エメラルドとしてはひょうかされていないものもあるようです
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【参考】天然石のエンサイクロペディア 著:飯田孝一