7月の誕生石は、カーネリアン と ルビー です。
カーネリアンは和名で「玉随」といい、
ルビーは和名で「紅玉」といいます。
カーネリアンは、カルセドニー(玉随)の一種です。
カルセドニーは、性質上ではアゲート(瑪瑙)と同じものですが、
石の名称は、縞模様が目で見えないものをカルセドニー、
縞がはっきりとわかるものをアゲートといいます。
この石は、紀元前6000年頃に、メソポタミアで生まれた装飾品は、
古代エジプトやギリシアでも大層に好まれました。
ギリシアの『カルセドン -Chalcedon』は、
最も良質の原石を産出したことから、地名が、名前となりました。
カルセドニーは、色別で変種名がついているものがあり、
赤褐色のものを 『サード』
真っ赤なものを 『カーネリアン』
黄色味のある淡緑色のものを 『クリソプレーズ』
淡青色のものを 『ブルーカルセドニー』
と呼びます。
カーネリアンの赤色は、微量な鉄分を含むためです。
しかし、原石などは、赤色が薄く、流出する際には、赤をきれいに出すために
加熱処理や、鉄などの金属化合溶液をしみこませる事が多いです。
ルビーは、もっともふるくには『アンスラックス』とか『カルブンクルス』と呼ばれていました。
ギリシアや、ローマの時代には、”燃える石炭”という意味で、それぞれの表現で呼んでいたそうです。
良質のルビーを太陽光の下で見ると、真っ赤に燃えているように思えてきます。
ルビーに紅い色をもたらすのはクロム元素。
この元素が紫外線に反応してさらに赤い光を放ちます。
これを【赤色蛍光 red fluirescence】と呼びます。
古代の人は、ルビーを神がかった石としてとらえ、燃える石炭と表現しました。
しかし、中世期の頃から、カルブンクルスの名前はもっぱらガーネットの方を指すようになってしまいました。
そこで代わりにラテン語で赤い色を意味する『ルバー rubber』が名前として使われるようになりました。
その後、ルバーには、コランダムという鉱物名が与えられましたが、
同時に英名に転化してルビーとなりました。
そこから【ルビーは赤いコランダム】という定義が生まれました。
ルビーとして結晶する簿ガンの種類が違うと、別の元素が取り込まれます。
クロムの代わりに鉄(Fe)やチタン(Ti)等のイオンが取り込まれると
黒味や紫味を増していきます。
特に真っ赤な色のルビーを産出するのはミャンマー(旧ビルマ)で、
その色を”鳩の血 pigeon blood”という表現で評価しました。
ルビーは、色によって評価価値が変わってきます。
評価によらず、たくさんの色がありますので、
自分の好みのものを探してみるのも良いかもしれませんね!
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【参考】天然石のエンサイクロペディア 著:飯田孝一