8月の誕生石は、サードニクス(サードオニクス) と ペリドットです。
サードニクスは和名で「紅縞瑪瑙」といい、
ペリドットは和名で「橄欖石」といいます。
サードニクスは、オニキス(オニクス、和名:白縞瑪瑙)という石で、
紅色と白色の組み合わせのものをいいます。
オニキスは”白い縞”を指していった名前で、
ギリシア人が石の縞目を「オナックス onux」と呼んだことから始まります。
しかし、オニキスの本質はアゲート(縞瑪瑙)で、
はっきりとした白い縞目のあるアゲートのことをオニキスと称しています。
サードニクスのこの紅と白の組み合わせは、
“血の滾りと生命の発展”
を想像させた石で、古くは最も神聖な宝石としてあがめられていたそうです。
古代エジプト王朝は、”太陽神”をす廃していたことから、ペリドットを特に愛好しました。
ペリドットは色や、睡蓮の葉に似た円形亀裂(water lilyleafと呼ばれる)があります。
この亀裂は、”サンスパングル -sun spangle”とも呼ばれていて、
石の内部に太陽の煌めきを閉じ込めていると考えられていました。
セント・ジョン島のものが良質で、かなり珍重されてエジプトから、ギリシア・ローマへ伝えられましたが、
当時はペリドットではなく【トパーズ】と呼ばれていました。
セント・ジョン島の周辺は霧が深く、その中で目的地を”探す”という行為を
ギリシア語では”トパジオス -topazios”といっていたからです。
しかし、『ペリドット』は、宝石としての名称で、フランス語経由の英名です。
宝石を意味するアラビア語の ”faridat” や、美しい妖精を意味するペルシア語の ”peri”が
語源ともされていますが、正確なところはわかっていないようです。
また、鉱物の世界では『 オリビン -Olivine 』と呼びます。
オリーブの実の色に似ているところから、ラテン語を語源として1790年に命名されました。
しかし、英名の和訳が『橄欖石』になったのは、
色が似ている”かんらん科”の橄欖の実と勘違いしたためです。
オリーブは”もくせい科”の植物なのです。
このように、植物や魚、地球上には似ているものがたくさんあります。
石にもそっくりさんは存在しています。
そして、今、この時代には”人工石”というのも増えてきています。
見分けるためには、鑑定士さんに頼むか、自身が鑑定士の資格を取らないとならないかもしれませんね。
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【参考】天然石のエンサイクロペディア 著:飯田孝一